『海水を鉄鍋でたくだけ』…甑島の天然塩(下甑町手打の有馬 新七さん)
 甑島列島を洗う黒潮でつくった天然塩が、口コミで人気を呼んでいる。
薩摩川内市下甑町手打の有馬新七さん(54)が5年前から売り出した
『こしきの塩』
『海水を鉄の鍋で炊くだけ』と製塩方法も天然そのままだ。
 有馬さんは鹿児島大学水産学部を卒業し、海外で漁業指導に活躍した。
甑島での製塩は
『こんなにきれいな海でつくった塩は、うまいだろう』という思いつきから。
 塩づくりの道具は直径約1メートルの鉄製の鍋だけ。自宅庭の小屋に置いた鍋に、甑島南端の手打湾からくんできた黒潮をつぎ足しながら、浜から拾ってきた流木や、山中で見つけた倒木などで3日3晩たき続ける。
塩田などで海水を濃縮した後、煮詰める通常の製塩方法に比べて効率は悪いが、不純物が少ないミネラル分たっぷりの塩ができるという。

 
『海水1トンから約30キロの塩がとれます。量産はできないが、燃料に流木や倒木を使うことで、浜も山もきれいになります』と有馬新七さん。町内だけで販売していたが、最近は評判を聞いた県外からの注文も多い。
 できた塩をさらに焼いた
「還元力のある塩」も3年前から販売している。

塩づくりに励む有馬新七さん

〒896-1601 鹿児島県薩摩川内市下甑町手打1055
お問合せ電話番号 TEL 09969−7−0850(有馬 新七)