下甑村の歌い継がれる
■櫓こぎ唄 ジギタ(地北)の雨じゃ、ヤッシンコイ(ヨイ)
キタゴチ(北東は)ャ雨じゃ、マエジケ(前時化)じゃっさ、ヤッシンコイ(ヨイ)
やれおせ、やれおせ、おせば○○が見えてくるさ、ヤッシンコイ(ヨイ)
イムタの瀬戸で、イカガナすてた、にどと手に入ることはなさ、ヤッシンコイ(ヨイ)
ミツ穴ぐちで、オゴジョ、ダンナの身をすてた、ヤッシンコイ(ヨイ)
     △     △     △
君と寝ようか五万石とろか、五万石取るよか君と寝よう
  寝てもいるかよ起きてもいるか、今更ら煙草ものみおるか
  煙草一葉が百円しても、様が寝タバコたやしゃせぬ。
  煙草に切れた身は須磨寺の、青葉このむは一の谷
  一の谷では熊谷様よ、行って敦盛ちご桜
  行ってだきつくあの大木に、泣いて別るる夏の蝉
  泣いて別れてまだ間もないが、つとめあさまし笑い顔
  顔で笑って心で泣いて、親の定めた人と添う
  親がやらねば十三の年、売られましたよ下の関
  下の関からこいとの手紙、行かざるまい泣く泣くも
  行かざなるまい三度に一度、忘れた頃にふみがきた
  北かと思えばまた南風、風さえ恋路のじゃまをする
  山の川瀬は雨降りゃにごる、わしもふられてよいものか
  雨じゃないない十七八の、恋の涙が雨となる
  十七八はそぞろなものよ、祭太鼓に気が浮かる
  太鼓打たせりゃ姉より妹、世帯もたせりゃ姉がよか
※すべて櫓拍子は、櫓の調子が合うように、交互に囃子の下の句(後または尻とも言う。)を取りながら、おしていく。
★下甑村郷土史より・・・・
 今は、町になってしまいましたが、村(むら)の響きが残っていきますように。