下甑村の歌い継がれる
■舟唄 潮のゆくのは潮床の浦、金のあがるは瀬尾の浦。
網の三十出てみな、なげとれば、しるしつけましょ島じるし。
沖のカモメの身は浮き沈み、ふかい思いを言わですむ。
旅のつれない港のかわで、ろどこ枕に夜をあかす。
波路はるかにこいでゆく舟は、さきの港がたのもしや。
浮いてくらすと人にはみゆる、船も流れの身じゃものを
こしき御岳山え霧かけたときや、わしが涙としらしゃんせ。
じかた山から吹いてくる風は、わしのたもとにふわふわと。
一人旅してお月様見れば、お月様さへ一人旅。
くるかくるかと川すそ見れば、川の柳の影ばかり。
窓のまきがきゆいたてられて、もはや、これからしのばれぬ。
窓のまきがきしのんでおじゃれ、つぼみの花ども折らんごと。
※この他にも多数の歌詞があり、何れも、他の民謡の曲、節、調子に合わせて船の上で唄われ、
 あるいは、拍子、囃子、として愛唱されている。
★下甑村郷土史より・・・・
 今は、町になってしまいましたが、村(むら)の響きが残っていきますように。