【地 形】
 甑島は九州の西南に突出していた半島が陥没してできたといわれ、全体に山勝ちである。
 最高峰は尾岳(おだけ:604m)で、青潮岳(あおしおだけ:510m)・口岳(くちたけ:487m)・谷山(たにやま:446m)・
小田山(おだやま:426m)などの高山が下甑島の中央部に連なり、上甑島は遠目木山(とおめきやま:423m)・
牟礼岳(むれだけ:383m)など概して低い。
 海岸線は、上甑島と下甑島は対照的で、上甑島が遠浅の湾入が多く、甑島海峡の最深部も87mに過ぎないのに対して、
下甑島は断崖が海に迫り、100m・200mの等深線が海岸に沿っている。
 地理学上特記すべきは、沿岸流によってできた里・手打の陸繋砂州(りくけいさす:トンボロ、トンボロ上に村がある。)や、
リアス式海岸を海鼠池(なまこいけ)など四つの港に変えてしまった長目ノ浜(ながめのはま)の3500m及ぶ砂州があり、
塩分の割合が違うこの四つの池には、それぞれ異なった生物が生息している。
【気 候】
 気温は温暖で、年平均は17.5度、年降水量は2500mm、寒中も霜がおりず、アコウなど南方系の植物が繁り、
天然記念物「ヘゴ自生地北限地帯」の指定を受けている。しかし、台風銀座と言われるほど、毎年のように台風被害が大きく、
島の生活を苦しめている。